大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 昭和44年(行ウ)121号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕本件訴えは、東京都教育公務員たる原告に対してなされた長期研修生として一年間東京都立教育研究所において研修すべき旨の命令の取消しを求めるものであるが、およそ、公務員の研修は、その人格、識見を高め、勤務能率の発揮、増進のために行なわれるものであつては種類期間を問わず、それ自体としては、本人の権利義務に対して直接不利益を与えるものでないこと、関係諸法令(教育公務員特例法一九条、二〇条、地方公務員法三九条、東京都昭和二六年二月二二日条例一六号「職員の職務に専念する義務の特例に関する条例」および同規則、昭和四四年度長期研修生取扱要綱)の規定に徴して、明らかである。

ところで、原告は、原告が東京都立北高等学校教諭として教科を担当しうる資格を有することを前提として、本件研修命令は原告に一般教科、科目を担任せしめない目的の下になされた不利益処分であると主張する。しかし、……によれば、高等学校の司書教諭は、教諭をもつてあてることとなつているところ、東京都にあつては、高等学校の教諭は、普通免許又は仮免許を有し、且つ、職および教科の適正検査を受けた者の中から採用する建前をとつている関係で、適正検査を受けた職以外の職に就いたり、教科以外の教科を担任することはできないこととなつており、原告は、一般の教科を担当する教諭とは別に実施された司書教諭の職の適正検査のみを受け、司書教諭の職として採用されたものであることを認めるのに十分であつて、右認定に反する証拠はないので、原告の前記主張はすでにその前提において失当たるを免かれず、他に本件研修命令が抗告訴訟の対象としての行政処分であることを肯認しうるに足る主張、立証はない。(渡部吉隆 中平健吉 斎藤清実)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!